「ブドウ糖」(グルコース)を中心に集まった「糖」の結合体のことを「多糖類」と言い、多糖類の構造を表すのに、α-グルカンやβ-グルカンという言葉が使われます。このグルカンという言葉は、アガリクスブームなどで、何かと「きのこ」と結びつけて考えられてしまいがちですが、元々は1940年代にパン酵母から抽出されたのが始まりです。1960年代に初めてβ-グルカンという言葉が使われて以来、アメリカやヨーロッパの様々な大学や研究機関で研究が行われてきています。
さて、このβ-グルカンに代表される多糖類ですが、「がんに効く」ということで広く知られるようになりましたが、実際のところはどうなのでしょうか?1980年代に行われたある実験で、日本や中国で「がんに効く」と言われている民間薬・和漢薬48種類が集められ、抗腫瘍効果(がんに効果がある)について確認がされました。そして、48種類のうち13種類については、「効果有り」という判断がなされ、この13種類のうち、10種類の植物に「多糖類」という成分が含まれていることが分かったのです。
多糖類も、つながっているグルカンの性質によって、がんに効果のあるグルカンと効果の無いグルカンがあると言われています。この色々あるグルカンをそれぞれ単体で取り出して抗腫瘍効果を確認した実験もなされていますが、その効果に関しては、がんの種類や生体の側の状態によって異なってくると考えられています。その事実を考えると、霊芝にも解明されているだけで7種類のグルカンが含まれていると言われていますが、これらを個別に取り出すのではなく、霊芝として摂取した方が有用性は確実であると考えられます。恐らく、多糖類はがんに直接働きかけるものではなく、生体そのものに働きかけ、免疫力を増強するものなのです。
グルカンの他にも、既に様々な成分が霊芝から発見されています。しかし、それらの物質と霊芝の薬効の関係は、今でもほとんど解明されていません。一時期、霊芝にはゲルマニウムが豊富に含まれていて、これがガンや他の病気に効くのではないか、とか、痛みを抑える効果がある、などと騒がれましたが、その後色々なところで何度も霊芝の分析を行った際には、ゲルマニウム自体が検出されず、結局霊芝の薬効とゲルマニウムは直接関係が無いということが言われています(有機ゲルマニウム自体には、身体のバランスを保つなど、様々な良い効果が期待できます)。
漢方薬の代表に「麻黄(まおう)」という生薬があり、喘息患者に良く用いられます。この生薬の中にエフェドリンという主要薬効成分が発見されているのですが、なぜかこのエフェドリンだけを取り出して使用すると、副作用として心悸亢進や高血圧などを引き起こしたりします。このように、漢方薬全般に言えることかもしれませんが、漢方薬に含まれる微量成分の中にも実は大切な働きをするものがあり、それらを除外しないで一緒に使用するのが最も安全で、効果も期待できる方法だと言えるでしょう。